近頃はコンピューターが普及してため事務処理で紙の伝票を使う機会も少なくなりつつありますが、相手とやりとりをするものは、やはり紙の伝票が最も有効です。使用目的に応じて様々な伝票があります。この伝票一つ一つがその会社のノウハウの蓄積であることも少なくありません。
種類
伝票には印刷物としての側面から見ると単票、複写伝票、フォームの三つに大別されます。一枚で使用するものが単票、1枚目に書くと下に重なっているものに複写されるのが複写伝票、コンピューターからの出力を印刷するものをフォーム(ビジネスフォーム)といいます。
製本という側面から見ると、のり付け、綴りがあり、のり付けは伝票を1冊にまとめるためにのり付けしたもので、気軽に各伝票をはがして使うことができます。一方綴りは複写伝票でミシン目加工と共に用いられることが多く、1枚目を控え、2枚目をミシン目にそって手で切り離し、相手に渡すなどの場合に用いられます。
用紙
複写をするかしないかで別れます。複写をしない場合、あるいはカーボン紙を別に使う場合はどんな用紙でも可能です。紙の厚さや強度を目的に併せて選びます。複写をする場合はノーカーボン紙を使うか裏カーボン(紙の裏に青いカーボンが塗ってあるもの)を使います。当社ではノーカーボンをお薦めしています。
たまにお客様にノーカーボンはすぐに複写部分が薄くなってしまうのでは?というご質問をいただくときがありますが、一般的にノーカーボン紙にとって劣悪な環境(極度に湿気が多いところ)でなければ10年程度ならノーカーボンで十分と言われています。法律によって保管義務がある書類であれば、その保管義務年数を考慮して用紙を決めればよいと思います。
ノーカーボン紙
ノーカーボンには厚さ、色、発色に種類があります。また、一番下になる用紙だけシールにすることもできます。
厚さ
厚さは特に重要で、以下のような特性を考えて選ぶ必要があります。
- 複写する枚数が4枚以上になってくると、紙が厚ければ下になるものほど複写されたものが不明瞭になります。
- 大量に保管する場合は紙が厚いとかさ張ります。
- 薄いとやはり破れやすい。
- 薄いと重厚感に欠ける。
必ずしも複数枚全部を同じ厚さにする必要はないので、相手に渡すものだけ厚い紙を使って重厚感をだし、それ以外はかさ張らないように薄いものにするということもよくあります。
色
色はメーカーによって用意している色が違うので事前に色を確認した方がいいでしょう。思ったよりも色が薄い、あるいは濃いということがあり得ます。色を変えておくと目立つので相手に渡すときに間違えにくい、あるいは複写で書き始めるところを間違えにくいという利点があります。また、コストを下げる目的で、複写の1枚目と2枚目の内容がほとんど同じ場合は、あえて内容を同一にして用紙の色を変えるという場合もあります。
発色
当社で扱っているノーカーボン紙の発色は青と黒があります。伝票自体を黒で印刷する場合は青い発色の方が色分けがされて見やすくなります。
大きさ
大きさはどんな大きさでも作れますが、仕入れる紙の大きさによって効率よくたくさん作れる大きさというのがあります。あまり意識する必要はありませんが、大量につくる場合は一度考えておく必要があります。
利用する状況も考えておくといいでしょう。外出先で立って使うものなら片手で持てる大きさにした方がいいですし、コピーすることが多いならA4やB5にきれいに入る大きさにしておく、あるいは、一緒に使う資料と同じ大きさにしておく、折らなくても封筒に入る大きさにする、などです。
加工
前述したのり付けか綴り、その他にも以下のような加工があります。
- 通し番号を入れる
- 複写伝票なら次の一組にも複写されないように下敷きをつける
- バインダーに入れるために穴をあける
- ミシン目をいれて切り取りやすくする
- 部分的に複写されないようにする(減感)
1冊にまとめるときは50通/冊、100通/冊にするのが一般的です。
フォーム
フォームはドットインパクトプリンタで印刷することが多いので、ピッチを考慮する必要があります。事前にお問い合わせください。また、裏側に両面テープをつける加工などもできます。