新刊紹介

月刊『弘前』2019年12月号(第485号)

特集 津軽塗は今   

 津軽地方の家庭には、おそらく必ずと言っていいくらい津軽塗の製品があると思う。津軽塗の箸やお椀は毎日の食卓に並び、色や長さによって誰の箸かが分かるようになっている。
 来客があると出される茶道具も茶櫃から茶筒、茶さじに茶托、急須台、お盆に菓子器、銘々皿、黒文字まで津軽塗。大事に大事に使っている。そんな家庭も多いのではないだろうか。
 そして年配の方なら、運動会や観桜会で風呂敷で包んだ津軽塗のお重をゴザの上に広げ、家族や親戚まで車座になって食べた記憶があると思う。今となってはあまり見かけない風景となってしまったが……。
 津軽塗の技術が2年前の平成29年7月21日国の重要無形文化財に指定された。
 津軽塗は今、どのような状況にあるのだろうか。

表紙写真

  • 初 雪・・・・・・村田孝嗣
  • 巻頭随想
    多様性の尊重と世界平和を考える・・・・・・鎌倉幸子(かまくらさちこ株式会社代表取締役)
  • 特集 津軽塗は今
  • サイエンス、ときどきナンセンス  その25
    アルゴリズムよりも速く走る・・・・・・清水俊夫
  • 猫の時間 6 
    いつもは永遠じゃない・・・・・・清水典子
  • さまよえる演劇人 225
    リップクリーム・・・・・・長谷川孝治
  • ガマシンの半覚醒日記 110
    共演しちゃったのだ!・・・・・・鎌田紳爾
  • 多々他譚~TATATATAN~ 104
    弘前ヒミツ口寄せ会議~12月8日と10日~・・・・・・世良 啓
  • 整体雑想庵 9 
    禁点の硬結・・・・・・前田普山(じねん堂休息庵)
  • ニャンともワンダフル 225
    願 い・・・・・・西谷昭子
  • 誌上美術館―西谷昇仙の世界 6
    「藝に游(遊)ぶ」・・・・・・西谷昇仙
  • 男の厨房 225
    おにぎり・・・・・・藤盛嘉章(藤盛医院)
  • 文化とデザイン 8 
    クリスマスツリー・・・・・スティーブン・マックウィニー(弘前学院大学文学部英語英米文学科 講師)
  • 発信 学都ひろさき 110
    地域全体で「出藍の誉れ」を実現する学校教育に向けて・・・・・・本山敬祐(東北女子大学家政学部児童学科 講師
  • 続 よしなしごと 3
    プロメテウスの火・・・・・・福井次郎
  • 男→女リレー随想 168
    りんごのまちで・・・・・・須藤七星
  • 医者様のくりごと
    人生、二刀流・・・・・中村幸夫(老健カルモナ施設長岩手県滝沢市
  • 旅の窓から 281
    椎葉二合庵 ②・・・・・・根深 誠
  • ましらの珍句漫句 329
    狂い咲き・・・・・高森ましら
  • ミヤノハウス 5 
    溶け込むもの・・・・・・ミヤモトフミ(まんなかづくり実行委員会)
  • 霜ネタ劇場 202
    無芸蕎麦大食(続 出石編)・・・・・・高瀬霜石
  • 昆虫学者の日常 25
    見たことのない生き物を探す・・・・・・中村剛之(弘前大学教員)
  • 今月の一冊
    『ききりんご紀行』・・・・・・安保美智子
  • 11月のベストセラーズ
  • 城下町日録 45
    時間を味方に ・・・・・・佐々木宏一
  • 弘前告知板・出版案内
  • 目次
  • 表紙によせて・・・・・・村田孝嗣

    初 雪

      私がよく通る道に、毎年同じ場所に同じ物を同じように干す家がある。日焼けして黒ずんだ小屋の腰板を背景に、まだ瑞々しさを残している大根、そして丁寧に皮むきされた柿が掛けられる。おそらくその家のおばぁちゃんの手仕事なのだろう。師走に入り、冬に備えての手仕事なのだ。
    その光景を見つける度に、「今年もまた掛かっている」と安堵感を覚える。私自身、後どのくらい生きられるかわからないが、密かにこののどかない光景が続いて欲しいと思う。この年は、ちょうど初雪の降る中、今年もあったと潤いに満ちた気分で眺めた。

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