月刊『弘前』2019年7月号(第480号)

特集 太宰治はどこで生まれたか? 

 太宰治の生誕110年を迎えた今年、太宰治の生まれた家について論議されている。
 太宰の随筆「六月十九日」に、「私がこの家で生れた日の事を、ちゃんと皆が知っているのである。夕暮でした。あの、小間で生れたのでした」の一文があることから、太宰は実家である『斜陽館』の一階の「小間」で生まれたとされ、展示もされている。
 しかし旧金木町の『金木郷土史』(昭和51年発行)に掲載された写真とその説明から、「実際は『斜陽館』で生まれていないのではないか」と柳澤良知氏(元「津軽」の像記念館館長)や地元の郷土史家である荒関勝康氏が異論を唱えた。
 この度、縁あってその論文をお借りすることができたので、紹介する。

    • 表紙写真
      ヒメボタル・・・・・・村田孝嗣
    • 巻頭随想
      400年前からのメッセージ・・・・・・わたなべのぶこ(わらび座 青森県内公演担当)
    • 特集 太宰治はどこで生まれたか?
    • サイエンス、ときどきナンセンス  その20
      最近のトピックスから・・・・・・清水俊夫
    • 猫の時間 1 (新連載)
      岩木山を眺めながら・・・・・・清水典子
    • さまよえる演劇人 220
      ポスト還暦3人衆②・・・・・・長谷川孝治
    • ガマシンの半覚醒日記 105
      とてもショックで悲しかったのだ!・・・・・・鎌田紳爾
    • 多々他譚~TATATATAN~ 99
      レジにて・・・・・・世良 啓
    • 整体雑想庵 4 
      整体事始め4・・・・・・前田普山(じねん堂休息庵)
    • ニャンともワンダフル 220
      好き嫌い・・・・・・西谷昭子
    • 誌上美術館―西谷昇仙の世界 1
      陸游詩「適を書す」・・・・・・西谷昇仙
    • 男の厨房 220
      鯖そぼろ・・・・・・三上邦康
    • 文化とデザイン 3 
      税と建物・・・・・・スティーブン・マックウィニー(弘前学院大学文学部英語英米文学科 講師)
    • 発信 学都ひろさき 105
      伝える・伝わる・伝承遊びに思うこと・・・・・・田中 恵(東北女子短期大学教授
    • 木空根通信 10
      「今と昔」・・・・・・木空根
    • 男→女リレー随想 163
      音楽の反解釈・・・・・・石川裕貴
    • 医者様のくりごと
      北溟寮入寮の頃(三) 上京アルバイト・・・・・・相楽衛男(さがらクリニック)
    • 旅の窓から 276
      釣果に拘らない釣り②・・・・・・根深 誠
    • ましらの珍句漫句 321
      かわたろう・・・・・高森ましら
    • デアイとツナガリとヒロガリと 12 (最終回)
      「じゃわめぐぜっ!」・・・・・・菅原信春
    • 霜ネタ劇場 197
      インディー・ジョーンズVSダイ・ハード partⅣ・・・・・・高瀬霜石
    • 昆虫学者の日常 20
      銀幕の昆虫学者・・・・・・中村剛之(弘前大学教員)
    • 今月の一冊
      漫画『ドリフターズ』・・・・・・佐伯建志
    • 6月のベストセラーズ
    • 城下町日録 40
      思い出のハードル走 ・・・・・・佐々木宏一
    • 弘前告知板・出版案内
    • 目次
    • 表紙によせて・・・・・・村田孝嗣

      ヒメボタル

       ヘイケボタルやゲンジボタルとちがって、ヒメボタルは陸生のホタルである。幼虫は水中ではなく湿り気の多い林床で生活している。だからカワニナではなくキセルガイの仲間などの陸生の貝類を食べて育つ。そのため、林がつくる環境のちょっとした変化で生息できなくなる。
       ヒメボタルの雄は光の点滅リズムが速く、光の色もヘイケボタルに比べて赤っぽく感じる。七月中旬、ヒメボタルを楽しむために夜の山道を登る。クマに出会う危険性もあるのであまりお勧めできないが、暗い林の中に繰り広げられる光のショーは感動的である。

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