プロが教える、後悔しない家づくり

布川二三夫

¥1,760 (税込)

住宅を建てるにあたっての全体の流れを網羅したガイドブック。各間取りに関するポイントから、建設業者への応対などをやさしく解説しています。

商品カテゴリー:

商品詳細

  • 製品番号:ISBN978-4-89297-072-6
  • 内容量:255頁
  • サイズ:A5 [148×210mm]
  • 発売日:2004年07月15日
  • 版 数:初版

説明

 一級建築士である著者の設計事務所ホームページ上に公開され好評を博した「家づくり経験論」を装いも新たに再編集して刊行。 ほとんどの人にとって「家づくり」は一生に一度の大事業。あれもこれもと欲張って結局後悔することも多い。 自分たち家族にとっての本当に「良い家」を予算内でつくるための設計上の具体的なアイデアや工夫、工事業者の選定や交渉術、 敬遠されがちな設計事務所の上手な利用法など、 建主が知っておくと必ず役に立つ「家づくり」のポイントを惜しげもなくアドバイスしてくれる。

著者からのコメント

 家づくりは、思っているほど簡単なことではありません。契約すると、その前の予想よりはるかに大変なことをしている自分に気がつくが、そのときはもう以前に戻ることも、途中で止めることもできず、先に進むしかありません。

 家づくりで離陸したとき、外観、間取り、居間の吹抜などの部分的なことより、着陸までの飛行ルートを事前に知っておいて、途中で墜落せず、安全に着陸することが何より大切です。そのため、本書のような入居までの「ガイドブック」が必要です。この本を読めば一度家を建てたことになり、これから建てようとする家は二度目の家になるので、「後悔しない家づくり」ができます。

 日常の業務で得た知識と経験をもとに、設計者の視点で、最初から入居までを基本・計画・技術・工程・雑感の章に分け、考え方と手法や業界常識が書いてあるので、「今、家を建てる人」だけでなく、「今、家を建てるわけではない人」も、一般書として読むうちに必要な「基本知識」を知ることができます。また、初めてで慣れない家づくりの不安な気持から開放され、安心、安全に良い家を手にすることができると思います。

目次より

  • 第一章 家づくりの基本

    最初にイメージする/家のイメージとデザイン/家のイメージづくり/家づくりの基本方針/設計とは何か/建主さんはどちら向き派ですか/設計の進め方とその手法/堅実な家づくり/知人のアドバイス/メーカーのカタログ/家づくりの二分化/オープンシステム/設計者/設計監理/いろいろな設計監理/設計図面をモニターで見たい。

  • 第二章 家づくり計画のポイント

    将来に影響ある配置計画/ブロックプランと手法/ブロックプランを育てる/立面図(外観図)を考える/家相/平面計画/玄関/玄関に隣接した勝手口/吹抜けのある居間/少し広めの寝室/和室の位置/廊下/居間・食堂・台所の関係/水場(トイレ・洗面所・脱衣室・浴室)の関係/洗面所/トイレ/ピアノ室/浴室

  • 第三章 家づくりの技術的ポイント

    夏向きの家と冬向きの家/暖かい家/明るい部屋と白い部屋/自然採光/窓の開け方/外部建具/換気/シックハウス/リフォームの考え方/いろいろなリフォーム/マンションのリフォーム/地震に強い家づくり/外壁の板張風/ログハウス/雰囲気のある家/森の中に家を建てたい/南入りと北入りの敷地/境界の塀/ブロック塀の高さ/高気密高断熱住宅/オール~~電化住宅

  • 第四章 家づくりの工程

    家づくりの工程/登場人物/敷地境界の確定/地質調査/資金計画/予算の考え方/工事費の使われ方/坪単価の考え方/設計与条件の設定/設計与条件の提示/工務店/地元の工務店/一社または数社の指名/建主さんはアマチュア/商品図集/基本図と概算書/大切な打合せ記録/最終基本図と概算書のチェック/共通仕様書/工事契約/実施図と明細書/確認申請/神事(地鎮祭・上棟式・竣工式)/着工から完了まで/手抜き工事と知らず工事/契約後の監理者/色決め/追加工事/工事写真/施工図/引き渡し書類/工務店の倒産/裁判トラブル/もう、終わってしまったこと/メンテナンス

  • 第五章 家づくり雑感

    契約後に、立場が弱くなる/商品図の家/使いづらい家/お利口さんのソーラー照明/トラブルの卵/最初に誰に相談しますか/設計事務所の決め方/工事費の値引き/普通の家/どういう家が「良い家」か/建主さんと工務店の常識/西と北の窓/建主さんの工事監理/設計施工の契約のポイント/設計事務所が工務店を紹介することについて/安く契約する方法/営業マンのタイプ/坪単価の考え方/設計期間はそんなに長くかかるの?/設計事務所が敬遠される理由

本文 第1章「最初にイメージする」から抜粋

 「家を建てたいけど、最初に何をすれば良いですか?」 「最初に、家をイメージします。」 「なぜ、そうするのですか?」

 「家づくりの最初は、求める家(答)がどのようなものか全く分からないか、ある程度分かっているものの、まだ決まっていないのが普通です。答のある課題を解くときは、それに向かって課題を解き、答と合っていれば正解なのが分かりますが、答が決まっていない課題を解くとき、どう進めれば良いでしょうか。」

 初めに答を仮定し、それに向って課題を解いていく【仮定手法】があります。仮の目的地を決め、そこに向かって旅をし、着いてから、そこが求めていた目的地であるか否かを判断します。目的地が決まらず、仮定もしなければ、あてのない旅になるので、目的地に着くことができないし、仮に、着いたとしても気がつきません。

 家づくりもこれと同じで、答を仮定し、進めていくうちに答が見えてくるので、急ぐことも、あせることもありません。本書の手順に沿って積み上げていけば、安心、安全に良い家を手に入れることができます。最初は『設計』に気持を集中することが大切で、『工事』はまだ後のことなので、その時になってから考えれば大丈夫です。【仮定する】ことが『イメージ〜〜する』ことであり、【設計図】がその『答』です。

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