特集 さ く ら
毎年弘前さくらまつり会期中に陸奥新報社主催の「青森県観桜俳句大会」が開催されます。昨年の大会(第70回)も新型コロナウイルスの感染拡大を受け、第69回に引き続き紙上俳句大会形式で行われました(第71回の今年も紙上俳句大会形式で開催します)。
昨年「桜」を題材に詠まれ、各選者から「天」位に選ばれた俳句の中から、作者にその思いを綴っていただきました。
地元写真家の方々の写真と共にお楽しみください。
俳句 :
- 保育器のいのち輝く初桜 ・・・・・・・・・ 佐々木雅翔
- 失恋を娘にものがたる桜の夜 ・・・・・・・ 田辺佳子
- 朝桜もとの二人の目玉焼 ・・・・・・・・・ 佐々木寿子
- 思ひ出も生きるちからの桜かな ・・・・・・ 長島喜美
- 先生が桜になって咲いていた ・・・・・・・ 吉田昼顔
- 初ざくらおかつぱはらりと逆上がり ・・・・ 大澤せい
写真 :
- 「旧弘前偕行社と古木の桜」 ・・・・・・ 藤田則昭(弘前美術作家連盟会員)
- 「最長寿樹ソメイヨシノ夜桜」 ・・・・・・ 工藤順巳(協同組合日専連弘前顧問)
- 「岩木山が見える法峠寺」 ・・・・・・ 山口和男(青森県写真連盟副会長・津軽写真倶楽部代表)
- 「オオヤマザクラ」 ・・・・・・ 板垣 博(全日本写真連盟弘前さくら支部会員)
- 「乳井古舘跡の桜」 ・・・・・・ 高橋 明(全日本写真連盟弘前さくら支部会員)
- 表紙写真
太陽からの贈り物 ・・・・・・ 工藤亮裕(全日本写真連盟会員) - 巻頭随想
中土手町商店街の残したい街並み ・・・・・平山幸一(弘前中土手町商店街振興組合 理事長) - 特集 さくら
- サイエンス、ときどきナンセンス その54
ロシアのサイバー攻撃を読み解く ・・・・・・ 清水俊夫 (弘前大学名誉教授) - 猫の時間 35
人生100年時代 ・・・・・・ 清水典子 (ライター) - さまよえる演劇人 254
静物⑥セーター ・・・・・・ 長谷川孝治 (劇作家・演出家) - ガマシンの半覚醒日記 139
太宰が近くなっちゃったのだ!(林聖子さん)・・・・・・ 鎌田紳爾 (音楽家) - 多々他譚~TATATATAN~ 133
「いのち」 ・・・・・・ 世良 啓 (文筆家) - 整体雑想庵 38
体は知っている① ・・・・・・ 前田普山 (じねん堂休息庵) - ニャンともワンダフル 254
続・現在 思うこと ・・・・・・ 荘司一子 - 誌上美術館―増田哲友の世界 5
「五月の風」 ・・・・・・ 増田哲友(写真家) - 男の厨房 254
ねばねばのオクラのっけ丼 ・・・・・・ はしもと棒(此岸俳句会) - 弘前れんが倉庫美術館のスタッフによる リレーエッセイ 1(新連載)
スプリングフィーバー ・・・・ 石川公子 (運営スタッフ) - 発信 学都ひろさき 139
排便障害の看護 ・・・・・・ 藤田あけみ (放送大学青森学習センター客員教授・弘前大学大学院保健学研究科教授) - 続 よしなしごと 32
作男日記 ② 春 ・・・・・・ 福井次郎 (物書き) - 男→女リレー随想 197
魂っことの距離感 ・・・・・・ 鉄 爺(弘前乃怪 代表) - 医者様のくりごと
先祖を探る ・・・・・中村幸夫 (医療法人誠仁会 尾野病院) - 旅の窓から 310
シバの思い出 散歩道 ⑧ ・・・・・・ 根深 誠 (著述業) - ましらの珍句漫句 358
恨血見る? ・・・・・ 高森ましら (俳人) - 私と美術と心の話 10
冬の忘れ物 ・・・・・・ わたなべゆりか - 霜ネタ劇場 231
せんりゅう水滸伝(父と子と)・・・・・・ 高瀬霜石 (柳人) - 昆虫学者の日常 54
街中の蝶が心配 ・・・・・・ 中村剛之 (弘前大学教員) - 今月の一冊
『流浪の月』 ・・・・・・ 小野美穂子 (エディ・フィオーレオーナー) - 4月のベストセラーズ
- 湯けむり津軽 14
温泉は動かない ・・・・・・ 鎌田祥史 (温泉ソムリエ) - 弘前告知板・出版案内
- 目次
- 表紙によせて・・・・・・ 工藤亮裕 (日本写真連盟会員)
太陽からの贈り物
数年前、NHKのテレビ番組「中井精也のてつたび! 弘南鉄道弘南線・大鰐線」の放送を見て以来、弘南線沿線の風景が印象的で、お気に入りの撮影スポットとなった。
ある早春の夕暮れ時、柏農高前駅周辺の田んぼでは、そよ風が植えたばかりの苗を揺らし、太陽が空をオレンジ色に染め、水面にその光跡を長く伸ばしていた。その景色に誘われてか、駅舎ラウンジからホームに出た学生達は、夕焼けの中に鮮やかなシルエットとなって浮かび上った。
これは将に太陽からの贈り物であり、会心の写真の一枚となった。