月刊『弘前』2021年7月号(第504号)

特集 「弘前寫眞の会」創立100周年に寄せて 

 昨年創立100周年を迎えた「弘前寫眞の会」。コロナ禍によって控えていた100周年事業を今年実現しようと準備中である(記念写真展は11月20日から23日)。

 今号では歴史ある「弘前寫眞の会」の成り立ちや歴代会長、現在の会員の紹介。また、会員の写真を掲載した。

  • 表紙写真
    蛍の記憶 ・・・・・・ 工藤亮裕 (全日本写真連盟会員)
  • 巻頭随想
    茶太楼新聞 ・・・・・ 外崎英明 (弘前大学大学院地域社会研究科)
  • 特集 「弘前寫眞の会」創立100周年に寄せて
    創設期と昭和に活躍した人々 ・・・・・ 増田哲友(名誉会長)

「弘前寫眞の会」と私 ・・・・・ 上村覚重(会長)

100周年記念行事と会員の紹介 ・・・・・ 山田好文 (事務局)

  • サイエンス、ときどきナンセンス  その44
    『クララとお日さま』を読んで ・・・・・・ 清水俊夫 (弘前大学名誉教授)
  • 猫の時間 25 
    ビバ縄文 ・・・・・・ 清水典子 (ライター)
  • さまよえる演劇人 244
    読み切り小説 ③ ・・・・・・ 長谷川孝治 (劇作家・演出家)
  • ガマシンの半覚醒日記 129
    夢をいっぱい貰ったのだ!・・・・・・ 鎌田紳爾 (音楽家)
  • 多々他譚~TATATATAN~ 123
    おまつりは誰のため ・・・・・・ 世良 啓 (文筆家)
  • 整体雑想庵 28 
    予防接種と整体的処理 ・・・・・・ 前田普山 (じねん堂休息庵)
  • ニャンともワンダフル 244
    母の旅立ち・その後 ・・・・・・ 荘司一子
  • 誌上美術館―對馬基起の世界 1 (新連載)―――知らないようで知っている、記憶の奥にある情景たち。夢の中のような、どこかおかしな世界。世代を超えて我々を結ぶ共通の「懐かしさ」がここにある。  
    「昔こんなことがあった気がする」 ・・・・・・ 對馬基起 
  • 男の厨房 244
    鰈の煮付け ・・・・・・ 三上邦康 (元教員)
  • 文化とデザイン 27 
    危険物・・・・ スティーブン・マックウィニー (弘前学院大学文学部英語英米文学科 講師)
  • 発信 学都ひろさき 129
    健康づくりとナッジ・行動経済学の活用―どうすれば人は動くのか― ・・・・・・ 妹尾良子 (柴田学園大学生活創生学部健康栄養学科)
  • 続 よしなしごと 22
    一割打者 ・・・・・・ 福井次郎 (物書き)
  • 男→女リレー随想 187
    地域に根差す文化 ・・・・・・ 阿保勝之 
  • 医者様のくりごと
    お花畑の向こう側 ⑨ ・・・・・ 坂本祥一 (坂本アレルギー呼吸器科医院)
  • 旅の窓から 300
    炭焼き人生 ② ・・・・・・ 根深 誠 (著述業)
  • ましらの珍句漫句 348
    文字のあや ・・・・・ 高森ましら (俳人)
  • ふさえ ふらふら ふらりらら 12 (最終回)
    廻る ・・・・・・ ふさえ (シンガーソングライター)
  • 霜ネタ劇場 221
    せんりゅう水滸伝(ハチローと川上三太郎の巻)・・・・・・ 高瀬霜石 (柳人)
  • 昆虫学者の日常 44
    学生をただ連れ歩いているのではないのです ・・・・・・ 中村剛之 (弘前大学教員)
  • 今月の一冊
    『ザリガニの鳴くところ』 ・・・・・・ 水木智美 (星の砂店主)
  • 6月のベストセラーズ
  • 湯けむり津軽 4 
    子供から大人まで ・・・・・・ 鎌田祥史 (温泉ソムリエ)
  • 弘前告知板・出版案内
  • 目次
  • 表紙によせて・・・・・・ 工藤亮裕 (日本写真連盟会員)

    蛍の記憶

     少年の頃、縁側に飛んできた一匹の蛍を捕まえようとしたら、「この蛍は去年亡くなった祖母が蛍になって帰って来たのだよ」と父から止められた思い出がある。
     ヒメボタルの発光はゲンジボタルやヘイケボタルに比べると弱いのだが、その光は黄色味が強く、鋭く歯切れよく明滅するので、この蛍の光跡が最も好きである。メスは後翅がないため草木上で発光するが、オスは飛翔しながら発光する。
     撮影した日は前日の雨でとても蒸し暑く、正に蛍日和となった。目の前を一匹の蛍がループを描きながら近づき、飛び去って行った。それは記憶の中の蛍と重なった一瞬であった。

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