月刊『弘前』2021年2月号(第499号)

特集 2020年 津軽地方の出版物 

昨年本を出版された方の中から6人の方に自著の紹介をしていただきました。また、昨年の津軽地方の出版物をリストアップしました。

  • 詩集 『幻の白鳥』 (思潮社)
    詩集『幻の白鳥』出版をめぐって・・・・・・小笠原茂介 (詩人・ドイツ文学者)
  • 弘前大学レクチャーコレクション学びの世界へようこそ』 (弘前大学出版会)
    現代の弘大版「講義録」・・・・・・髙瀬雅弘 (弘前大学出版会編集長・教育学部教授)
  • 『80代の今と50代の昔とをつなげてみれば』 (津軽書房)
    米寿記念の気ままな身辺雑記・・・・・・佐藤きむ(日本エッセイスト・クラブ会員)
  • 『哲学として読む「老子」』全訳 (トランスビュー)
    中国古代の形而上学者・・・・・山田史生 (弘前大学教育学部教授)
  • 『奇跡のパイロット』零戦無敵神話~三上一禧「自伝」より~ (路上社)
    103歳! 波瀾万丈の半生・・・・・・知坂 元 (郷土歴史漫画家)
  • 『奥州道中記』 (北方新社)
    津軽版・道中膝栗毛・・・・・・藁科勝之 (弘前学院大学副学長・文学部教授)
  • 2020年津軽地方の出版物一覧

  • 表紙写真
    目覚めの瞬間(とき)・・・・・・工藤亮裕 (全日本写真連盟会員)
  • 巻頭随想
    猪突猛進と牛の涎・・・・・今泉規史 (青森県図書教育用品株式会社 代表取締役)
  • 特集 2020 津軽地方の出版物
  • サイエンス、ときどきナンセンス  その39
    人類消滅の二つのシナリオ ・・・・・・清水俊夫 (弘前大学名誉教授)
  • 猫の時間 20 
    東京の森へようこそ ・・・・・・清水典子 (ライター)
  • さまよえる演劇人 239
    「前期高齢者三人衆」 ⑪ ・・・・・・長谷川孝治 (劇作家・演出家)
  • ガマシンの半覚醒日記 124
    難読漢字は楽しいのだ!・・・・・・鎌田紳爾 (音楽家)
  • 多々他譚~TATATATAN~ 118
    弘前ヒミツ口寄せ会議~文学の学校の巻~・・・・・・世良 啓 (文筆家)
  • 整体雑想庵 23 
    気の出し方―行気法と輸気法― ・・・・・・前田普山 (じねん堂休息庵)
  • ニャンともワンダフル 239
    おっちゃんのつぶやき ・・・・・・蒔苗隆人
  • 誌上美術館―秋山範子の世界 2 
    「津軽・待春」 ・・・・・・秋山範子 (油彩)
  • 男の厨房 23
    『ばっけ』のスパゲティ ・・・・・・はしもと棒 (此岸俳句会)
  • 文化とデザイン 22 
    日照権・・・・スティーブン・マックウィニー (弘前学院大学文学部英語英米文学科 講師)
  • 発信 学都ひろさき 124
    楽しかった帰り道 ・・・・・・小林由美子 (東北女子短期大学 教授)
  • 続 よしなしごと 17
    ウェルメイドプレイ ・・・・・・福井次郎 (教員)
  • 男→女リレー随想 182
    私が協力隊に応募した理由 ・・・・・・石戸谷寛子 (東目屋地区地域おこし協力隊)
  • 医者様のくりごと
    お花畑の向こう側 ④ ・・・・・坂本祥一 (坂本アレルギー呼吸器科医院)
  • 旅の窓から 295
    釣友ふたり ① ・・・・・・根深 誠 (著述業)
  • ましらの珍句漫句 343
    邂逅 ・・・・・高森ましら (俳人)
  • ふさえ ふらふら ふらりらら 7
    ダンスダンスダンス ・・・・・・ふさえ (シンガーソングライター)
  • 霜ネタ劇場 215
    せんりゅう水滸伝 (井上剣花坊の巻)・・・・・・高瀬霜石 (柳人)
  • 昆虫学者の日常 39
    郷土館を手伝う ・・・・・・中村剛之 (弘前大学教員)
  • 今月の一冊
    『生き物の死にざま』 ・・・・・・水木智美 (星の砂店主)
  • 1月のベストセラーズ
  • 城下町日録 59
    自分らしさ ・・・・・・佐々木宏一 (作家・『無名群』同人)
  • 弘前告知板・出版案内
  • 目次
  • 表紙によせて・・・・・・工藤亮裕 (日本写真連盟会員)

    目覚めの瞬間 (とき)

     白鳥の写真はよく撮影する。
     水面を力強く蹴りだし飛び立つ雄姿、両足を踏ん張り水面にブレーキを掛け着水するコミカルな姿、長い首をクルリと巻いて眠る優雅な寝姿、どの姿・形も微笑ましい。
     白鳥の目覚めの瞬間を捉えるため、日の出前から待った。気温は氷点下、水面からは水蒸気が立ち昇り、真冬の遅い太陽が山の端から顔を出し始めると、湖面は眩しいほどの黄金色に変わり、一羽の白鳥が大きく羽を広げ目覚めた。
     こんな穏やかな一日の始まりは、毎日あって欲しいと願いつつ、無心にシャッターを切った。

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