包装紙

商品を包んでお客様に渡す際には包装紙は欠かせません。時代の流れとして簡易包装が主流になるとしても、用意しないわけにはいかないものです。大きさが大きいので場所も取ります。印刷そのものよりも印刷後にどうするかに頭を悩ませることが少なくありません。

用紙

用紙は一般的に丈夫で、軽くて、折りやすいものが好まれます。場合によっては水に強くなくてはならないこともあります。つまり梱包するものによって要求される機能が違います。もちろん全ての用途に最適な用紙があればいいのですが、さすがにそういう紙はないので、あちらが立てばこちらが立たず、という感じです。あらかじめどういう機能が必要なのかは考えておく必要があります。ポイントになるのは以下のような事です。

  • 強度(丈夫さ)

    紙ですから、基本的にはどの紙をつかってもハサミやカッターでは切れますが、厚すぎると折ったりするのが大変で、逆に薄すぎると梱包中に破けたりします。

  • 印刷の発色が良い
  • 軽い

    上質系の紙は軽いのですが、どうしても落ち着いた発色になります。コート系の紙は発色がよくなりますが、重くなります。

  • 折りやすい

    紙が厚くなると折りにくくなります。試しに一枚二枚折っている分には気になりませんが、業務で何枚も折る場合は大変です。

  • 価格が安い
  • 水に強い
  • 中が透けにくい

デザイン

販売した商品を包むわけですから、当然受け取った側の印象がよくなるようなものにする必要があります。ただ、切って使う事も多いので、大きい紙全体で一つの柄になるようなものではなく、小さな柄を繰り返してデザインし、どう切ってつかってもそれなりに機能するようにします。一方でクラフト紙を使うなど、単色でシンプルにするという方法もあります。


また、「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)」により、包装紙には紙のリサイクルマーク(右図)をつける必要があります。大きさや表示についても指定があります。容器包装リサイクル法については環境省のウェブサイトに詳しいのでそちらをご覧ください。

裏と表で柄を変えてリバーシブルにする場合もあります。場所も取りませんし紙代も節約にはなりますが、一枚当たりの単価は高くなります。また、お客さまが包装紙をはがしたときに当然裏が見えるので、気分的に許される範囲の違いにした方が無難です。

印刷

包装紙は印刷する上での効率はとてもいいのですが、一方で作り方を工夫をしてもあまり安くならないとも言えます。印刷枚数を増やせば単価は下がりますが、印刷色数を増やしたり、手触りにこだわって高価な紙を買えばそれだけ高くなります。

用意しておくべき最も大きいもので印刷し、必要に応じて印刷後に断裁して小さいものを用意します。そのときにできた端切れで小さな紙袋を手作りして、ちょっとしたときに使う方もいらっしゃいます。なんの加工もしていない紙はそれだけでいろんな使い方があるので、多少まとまった数量になるのであれば、処分しないでおくといいと思います。

梱包と保管について

紙は意外と重量物です。一枚一枚はそれほど気にならなくても、まとめておくと非常に重くなります。発色を良くし、なおかつ中が透けにくいようにと厚めのコート紙を使うと、200枚程度で女性では簡単に持ち運びできないような重さになります。

また、不必要な折り目がつかないようにしようとすると、意外と場所を取ります。かと言って、巻いておくと使うときになって巻き癖を戻すのにも手間がかかります。

日光に当たって色あせないように暗所に保管するのはもちろんのことですが、湿気にも注意が必要です。

印刷後、保管するときの梱包方法の基本は印刷会社で行うので、事前によく相談する必要があります。