月刊『弘前』2022年3月号(第512号)          1冊 380円(税込)

特集 月刊『弘前』ブックトーク① At TSUTAYA BOOKSTORE in HIRORO

 令和3年12月1日から令和4年1月31日まで、ヒロロ2階TSUTAYA BOOKSTORE内イベントスペースにおいて、スコーレ様、TSUTAYA様からのご依頼、ご協力のもと「月刊『弘前』で振り返る、弘前の歴史~昭和編~」と題して本誌表紙を中心とした展示を行っていただきました。
 イベントの一環としてブックトークを3回開催したのですが、初めてのイベントに慣れないことや、コロナ感染拡大防止の意味もあり大々的な告知をせずに3回のブックトークを終了してしまいました。
 後から「知らなかった」「聞きたかった」との意見が寄せられ、TSUTAYA様に許可をいただき、今月と来月の2回に分けてご紹介することにしました。
 今回は第1回(12月25日)・第2回(1月8日)のブックトークの内容になります。

表紙写真

  • けあらしの朝 ・・・・・・ 工藤亮裕 (全日本写真連盟会員)
  • 巻頭随想
    いつまでも自分らしく暮らして頂くために日常生活支援『アシスタ』始動 ・・・・・岩渕和也・寺尾健二 (株式会社アシスタあおもり 代表)
  • 特集 月刊『弘前』ブックトーク①
    第1回目 12月25日(土)PM2時~
     出席者 斎藤三千政 (弘前ペンクラブ会長)
         今泉 昌一 (弘前読書人倶楽部代表)
         木村 和生 (月刊『弘前』代表)
    第2回目 1月8日(土)PM2時~
     出席者 世良 啓 (多々他譚 連載)
         齋藤真砂子 (月刊『弘前』編集)
     『弘前多譚』出版関係者
         宮嶋麻紀子 (コーディネイト)
         つちや牧子 (ブックデザイン)
         清藤慎一郎 (イラスト)
         雙 葉 (題字)
  • サイエンス、ときどきナンセンス  その52
    イヌはいつどこで犬に? ・・・・・・ 清水俊夫 (弘前大学名誉教授)
  • 猫の時間 33 
    一陽来復 ・・・・・・ 清水典子 (ライター)
  • さまよえる演劇人 252
    静物 ④ NB576USA ・・・・・・ 長谷川孝治 (劇作家・演出家)
  • ガマシンの半覚醒日記 137
    津軽弁で詠んでみたのだ!(津軽弁俳句・冬篇)・・・・・・ 鎌田紳爾 (音楽家)
  • 多々他譚~TATATATAN~ 131
    JOY POPS、「顛末」のあとさき ・・・・・・ 世良 啓 (文筆家)
  • 整体雑想庵 36 
    背骨の関連②(胸椎について) ・・・・・・ 前田普山 (じねん堂休息庵)
  • ニャンともワンダフル 252
    続45こころがやさしくなる時 「コロナ禍の小さな幸せ」 ・・・・・・ 田中みゆき
  • 誌上美術館―増田哲友の世界 3   
    「春を呼ぶ福寿草」 ・・・・・・ 増田哲友(写真家)
  • 男の厨房 252
    回鍋肉 ・・・・・・ 藤盛嘉章(藤盛医院
  • 文化とデザイン 35 
    アーティチョーク戦争 ・・・・ スティーブン・マックウィニー (弘前学院大学文学部英語英米文学科 講師)
  • 発信 学都ひろさき 137
    早朝に散歩してみたら ・・・・・・ 木田和幸 (弘前医療福祉大学・総合図書館長(教授))
  • 続 よしなしごと 30
    筋肉は裏切らない ・・・・・・ 福井次郎 (物書き)
  • 男→女リレー随想 195
    バーが繋ぐ酒と人 ・・・・・・ 八木橋晋也(BAR GLEN MORE バーテンダー)
  • 医者様のくりごと
    私と津軽 ① ・・・・・吉田尚弘 (吉田クリニック院長)
  • 旅の窓から 308
    シバの思い出 散歩道 ⑥ ・・・・・・ 根深 誠 (著述業)
  • ましらの珍句漫句 356
    のどか ・・・・・ 高森ましら (俳人)
  • 私と美術と心の話 8
    二月七日 ・・・・・・ わたなべゆりか
  • 霜ネタ劇場 229
    せんりゅう水滸伝(グリコとチャンバラ)・・・・・・ 高瀬霜石 (柳人)
  • 昆虫学者の日常 52
    新種には洒落た名前を ・・・・・・ 中村剛之 (弘前大学教員)
  • 今月の一冊
    『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』 ・・・・・・ 奈良 匠 (まわりみち文庫店主)
  • 2月のベストセラーズ
  • 湯けむり津軽 12 
    お湯の名は ・・・・・・ 鎌田祥史 (温泉ソムリエ)
  • 弘前告知板・出版案内
  • 目次
  • 表紙によせて・・・・・・ 工藤亮裕 (日本写真連盟会員)

    けあらしの朝
       
     夕方の天気予報では、翌朝の津軽地方の最低気温はマイナス十度と報じられ、海・河川・湖沼などの水面から湯気のように霧が立ち上る「けあらし」の発生が期待された。「けあらし」の中に佇む白鳥の姿を撮影するべく、翌朝、浅所海岸へ向かった。
     午前六時の浅所海岸は、国道脇の温度計がマイナス十四度を示し、東南の微風に好天と、「けあらし」発生の条件は整った。
     期待を込めて待つこと一時間。雲間から朝日が差し込み、一条の光の道を創って海面漂う「けあらし」を突き抜け輝き始めた。一羽の白鳥が目覚め、大きく羽ばたいた。撮影の瞬間である。やがて日が昇るにつれ、「けあらし」は静かに消え去った。

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